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別居後の財産の使い込みを弁護士が解説
離婚事件において,財産分与は特に争われやすい争点の一つといえます。
夫婦が離婚する場合,財産分与が問題となることはご存知の方も多いと思いますが,そもそも財産分与の「財産」とはいったい何を指すのでしょうか。
別居して共有財産の使い込みが起きた場合
例えば,ある夫婦が離婚協議中で別居していたとします。
別居時,夫婦の共有財産として預貯金が500万円ありましたが,別居して半年後,夫婦の一方がこれを使い込み,0円となってしまいました。
この場合,夫婦の財産はもう残っていないから,分ける財産もない,ということになってしまうと困りますよね。
共同生活をしている夫婦が婚姻中に築いた財産は,夫婦が協力して形成したものであるから、離婚時にはこれを共有財産として夫婦で分けるべきだというのが,財産分与の基本的な考え方です。
この考え方に基づけば,財産分与の「財産」とは,夫婦が共同生活により協力して築いた財産に限られるということになります。
夫婦が別居した場合,その時点で夫婦の協力関係はなくなったと考えられますので,別居後の財産が増えても減っても,それは考慮しないとするのが原則的な考え方となります。
上のケースだと,夫婦で協力して形成した財産が別居時に500万円あったのですから,たとえ今は0円になっていても,500万円が財産分与の対象となり,この半分の250万円を夫婦の一方が他方に請求するということになります。
ただ、そうであるからといって安心できるものでもなく,この預貯金以外に財産がないようなケースなどでは,預貯金を使い込んだ相手方から250万円を回収するのが困難なこともしばしばあります。
離婚でお悩みの方は,お早めに弁護士に相談されることをおすすめします。
名古屋丸の内本部事務所 弁護士西村綾菜
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